コラム

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2024.03.27

マンションの大規模修繕にかかる費用や期間と流れについて

マンションの大規模な修繕作業は、マンション自体の規模によって工事期間が異なります。小規模から大規模マンションまで、マンションの規模はさまざまですが、それぞれどのくらいの期間がかかるのでしょうか。また、作業の流れや工事にかかる費用はどの程度なのでしょう。

今回は、マンションの大規模修繕の流れ、工事期間、費用などについて詳しくまとめました。大規模修繕を検討している方は、参考にしてみてください。

マンションの大規模修繕作業とは?

大規模修繕作業とは、マンションの大部分を修繕する作業のことです。マンションは、部屋数によって規模が異なります。大規模、小規模に関わらず全ての規模のマンションで大規模修繕作業が必要になり、定期的に行うことで建物を健全に維持することができます。

入居者が居る、建物の構造が複雑であるなどの背景から、簡単な作業ではありません。そのため、工事期間は計画から工事終了までは2年以上かかることがほとんどです。また、住民の意見も取り入れながら作業を進めなければいけないため、準備の段階から相当な労力がかかります。しっかりと準備をしてから作業に入らないと、後々住民とのトラブルの原因にもなる可能性もあります。

大規模修繕作業は簡単な作業ではありませんが、マンションを健全に保つためには必要な工事なのです。

マンションの大規模修繕作業の流れ

1.委員会を結成

大規模修繕作業に入る前に、まずは住民の有志で委員会を結成する必要があります。委員会の役割には主に以下の4つがあります。

  • 理事会への負担軽減
  • 業者とのやり取りのスムーズ化
  • 住民からの意見を聞き取りやすい
  • 長期で対応が可能

委員会を設置することで、理事会への負担を軽減することができます。理事会では、マンションでの生活環境を維持するために、さまざまな活動をしています。そのため、大規模修繕作業の取りまとめに手が回らないという場合も多いです。委員会を設置することで、そのような理事会への負担を軽減することができます。

また、業者とのやり取りのスムーズ化を図ることができます。委員会は住民の代表なので、業者と責任を持って対応することで、意見がまとまりやすく円滑なやり取りができます。このように住民からの意見も汲み取りやすいので、業者への細かな要望も可能です。

大規模修繕作業は長期間で作業をするので、長期での対応が求められます。委員会を結成することで、そのような長期対応も可能になるのです。

2.建物調査

委員会を結成したら、建物の状態を把握するため建物調査の必要があります。建物調査は委員会メンバーでは行わず、専門の業者へ依頼するようにしましょう。業者の方が適切な修繕計画を建てられるため、効率的にマンションを維持することができます。修繕が必要になる箇所は、共用設備、外壁、天井、床など多岐にわたります。そのため、確かな知識と経験がある人でなければ、最適な修繕計画を立てることが難しいのです。

3.施工計画

建物調査終了後は、「施工計画」を立てます。実際に作業計画を立てることで、ある程度の資金の見積もりと工事期間などを算出することができます。マンションの多くは住民から「修繕積立金」などといった名目で、修繕作業の料金を積み立てている場合が多いです。そのような積立金も考慮しながら計画を立てることで、現実的な作業の計画を立てることができます。

4.工事会社を検討する

修繕箇所、資金などがはっきりとしたところで、次は工事会社を選定しましょう。

「工事会社にもいろいろあり、どこがいいのかよく分からない。」

ということもありますよね。そのような場合は、以下の4つのポイントを参考にしながら工事業者を検討してみてください。

  • 中間マージンが入っていない業者
  • 大規模修繕が得意な業者
  • アフターサポートまで充実している業者
  • 有資格者が多い業者

業者の中には、中間マージンを取る業者も存在します。具体的には、「仕事は受注するが実際に作業するのは別会社」という場合です。この場合、金額が高くなりやすいので注意しましょう。

また、大規模修繕作業が得意な業者を選ぶことも重要です。マンションの大規模修繕作業は一般的な建物の修繕作業とは異なり、専門的な技術も必要な場合があります。大規模修繕作業が得意な業者であれば、より最適な修繕提案をしてくれます。建設や施工に関する有資格者が多い業者であれば、そのような専門的な技術力に長けている業者です。

更に、アフターサポートまでしっかりと対応してくれる業者であれば、安心して作業を委託することができます。

5.施工計画の最終見直し確認

工事業者が決まったら、総会などで施工計画の最終見直しを行います。施工計画は委員会を中心として計画されてきましたが、理事会なども交えて行われます。もしここで反対意見が出れば、業者と相談して計画を練り直さなければいけません。特に意見の食い違いが出やすいのが「資金」の問題です。住民が納得しやすいような見積もりで計画を立て、作業を行う必要があります。

6.工事説明会

最終見直しがまとまれば、住民への説明を行います。工事期間、工事内容、工事業者、工事金額、工事の目的などといった内容を住民へ説明しなければいけません。工事を行うことで騒音や振動など、住民へのストレスがかかる可能性もあります。しっかりと説明しておかないと、後々トラブルの原因にもなるため丁寧に説明しておきましょう。

7.工事の開始

ここまで滞りなく工程が進めば、実際に工事を開始します。マンションは規模によって工事期間が異なり、以下のような工事期間となることが多いです。

工事期間
小規模(50戸以下)3~4ヵ月
中規模(50~100戸)4~6ヵ月
大規模(100戸以上)6ヵ月~1年以上

このように、マンションの規模ごとで工事期間が異なります。大規模修繕作業は3ヵ月から〜1年以上と幅が広く、長期間での対応が必要になる場合が多いです。

8.工事完了(アフターフォロー)

工事が終了したら、住民から要望があった場合などは対応する必要があります。

「ここをもう少しこうして欲しい。」

「次の修繕作業ではこう改善してもらいたい。」

などといったように、工事終了後も住民の意見を聞くことで次回の修繕作業もスムーズに行うことができます。

作業毎の実施期間と費用

足場の設置

工事を行う時は建物の周りを専用のシートで覆い、材料が飛散したり落下して周囲に迷惑がかかることを防ぎます。作業期間は10〜30日です。

費用は「マンション外周 + 8m × マンションの高さ × 800円」で求めることができます。大体の相場では200万円を超えるくらいですが、規模によって異なります。

下地補修工事

壁、床などに入ったヒビ割れを修繕する工事です。工事期間は15〜30日程度で、作業にかかる費用は補修面積によって異なります。施工単価は安いもので300円(m)程度で済みますが、より強固な補修が必要な場合だと8,000円以上する場合もあります。

外壁塗装工事

外壁の塗装や劣化した箇所の補修作業です。作業期間は1〜3ヵ月程度かかります。外壁塗装工事にかかる費用は塗装面積で算出でき、400㎡で200〜300万円程度、200㎡で100〜150万円程度です。大規模修繕作業では、塗装面積も広くなりやすいので料金は多めに見積もっておきましょう。

天候などによる工事期間の延長

天候が悪いと工事が行えずに、工事期間が延長となってしまう可能性もあります。その場合は、入居者に迷惑がかかる場合もあるため、しっかりと説明したうえで作業をするようにしましょう。天気は読めないので、業者とのコミュニケーションを図りながら進捗状況を把握しておくと住民にも説明がしやすいです。

大規模修繕の周期は?

大規模修繕の周期は、12年程度と言われています。国土交通省による「長期修繕計画ガイドライン」には、12年周期で大規模修繕工事を行うことが推奨されています。しかし、マンションによって入居者などの状況は異なるので、必ずしも12年でなければいけないという訳ではありません。あくまでも目安ですので、参考にしてみてください。

まとめ

マンションは、多くの人が暮らす集合住宅です。快適な生活を送るためには、マンションの劣化部分を12年程度の周期で修繕する必要があります。
マンションのような大規模修繕作業は簡単ではありません。
そのため、委員会などを結成してマンションの住民主体で修繕計画を立てていくことが大切です。
しっかりと計画を立てることで、業者と住民との間でトラブルが起こることなくスムーズに作業を行うことができます。
特に、費用面では住民がしっかり納得していないと、トラブルになりやすいので気を付けましょう。

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